この記事ではTradeviewでの法人口座開設の作り方を解説していきます。
Tradeview 法人口座の対応は、Tradeview「法人口座申請」で確認できます。
Tradeviewで法人口座を作るときの基礎知識
その1:法人の設立が必要(低コストな合同会社がおすすめ)
海外FXで法人口座を作るには、まず法人を設立する必要があります。
日本で設立できる法人は、主に株式会社と合同会社の2つ。節税目的での設立なら、設立コストの低い合同会社がおすすめです。
株式会社と合同会社の設立コスト比較はこちら。
費用項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
定款用収入印紙代 | 4万円(電子定款なら0円) | 4万円(電子定款なら0円) |
定款の認証手数料 | 3〜5万円 | なし |
定款の謄本手数料 | 約2,000円 | なし |
登録免許税 | 15万円 または資本金額×0.7%のどちらか高いほう | 6万円 または資本金額×0.7%のどちらか高いほう |
合計 | 約20万円以上 | 約6万円以上 |
どちらも電子定款にすることで、株式会社なら合計コストは20万円、合同会社なら6万円ほどに抑えられます。 合同会社にすることで設立費用は3分の1ほどに抑えられます。
また株式会社を設立すると、法人口座を開設するときの必要書類も増えてしまいことがあります。事務手続きを減らしたいなら、合同会社を優先しましょう。
Tradeview 法人口座の対応は、Tradeview「法人口座申請」で確認できます。
その2:節税メリットが多い
FXで法人口座を設立する最大のメリットは、節税効果が高くなること。サラリーマンや個人事業主では使えなかった節税メソッドを利用できるようになります。
節税メソッドの概要はこちら。
- 税率が低くなる(年間利益695万円から)
- FXの所得を他の所得と損益通算できる
- 10年間の繰越控除が使える(個人は3年間)
FXの所得が年間695万円を超えたら、税率的には法人が有利になります。ただ税理士・社労士を雇ったり、他の事務コストが増えることを考えると、年間所得2,000万円から3,000万円を超えてからの方が好ましいです。
損益通算とは、プラスの所得とマイナスの所得を合算させることで、トータルの所得を減らし納税額を減らすこと。 個人事業主だとFXの収益は雑所得になるため損益通算が使えませんが、法人なら損益通算が可能です。
例えば海外FXトレードで1,000万円の利益を得て、他の事業等で500万円の損失を出した場合、2つの所得を合算し、合計500万円で納税額を計算します。所得を圧縮することで、納税額も減らせます。
繰越控除とは、過去のマイナス所得と現在のプラス所得を合算させて、トータルの所得を減らし、納税額を減らすこと。個人事業主だと繰越控除の期間は過去3年間ですが、法人は過去10年間まで繰り越せます。
Tradeview 法人口座の対応は、Tradeview「法人口座申請」で確認できます。
その3:煩雑な手続きなどデメリットも多い
法人口座の主要なデメリットは、煩雑な事務手続きが多くなること。
追加される事務手続きはこちら。
- 税務処理が複雑になるため、税理士との契約が必須
- 社会保険の加入も必須になるため、社労士との契約も必要
- 好きなタイミングで口座出金できない(役員報酬として受け取るため)
- 入金したお金を自由に使えない(横領になってしまう)
- 法人を辞めるには解散手続きも必要
法人を設立すると税務処理が煩雑になるため、税理士との契約が必須になります。同時に社会保険の加入も必須になるため、社労士とも契約する必要があります。
また会社のお金は自由に使うことができず、個人の判断で勝手に使ってしまうと横領になってしまいます。さらに法人は好き勝手にたたむことができず、解散手続きも必要となります。
海外FXの法人運用は、節約によって得られるメリットよりも、事務コストの負担の方が多くなりやすいです。煩雑な事務手続きが苦手なら、税金を多く払うことになっても個人事業主でいたほうがいいかもしれません。
Tradeview 法人口座の対応は、Tradeview「法人口座申請」で確認できます。
Tradeview 法人口座の作り方・開設方法
手順1:Tradeview公式サイトから「新規口座開設」へアクセス
まずはTradeview公式サイトにアクセスし「新規口座開設」をクリックして、新規口座開設ページに移動します。
手順2:「Tradeview 法人口座」をクリック
次に個人口座・法人口座の選択ページに移動するので「法人口座」を選択します。
手順3:入力フォームに必要事項を入力する
「法人口座」を選択すると、Tradeviewの法人口座申請ページに移動します。
必要事項を入力していきましょう。
取引プラットフォーム
「取引プラットフォーム」ではFXプラットフォーム・口座タイプを選択します。
選べる項目はこちら。
- MT4 ILC(EA自動売買におすすめ)
- MT4 Xレバレッジ
- MT5 ILC
- MT5 Xレバレッジ
- cTrader(裁量トレードにおすすめ)
- Tradeview MT5 株式
- FIX API
- Sterling
- DAS Trader
裁量トレードをするならcTrader口座、EA自動売買をするならMT4 ILC口座がおすすめ。Xレバレッジ口座はスプレッドが広めなので、あまりおすすめしません。
通貨
「通貨」では、取引口座の基本通貨を選択します。
例えば円口座を選択すれば、円で入出金・資金移動することになり、口座残高・有効証拠金・損益なども円単位で表示されます。
基本通貨の選択項目はこちら。
- JPY(日本円)
- USD(米ドル)
- EUR(ユーロ)
- AUD(豪ドル)
- CHF(スイスフラン)
- GBP(英ポンド)
- MXN(メキシコペソ)
- ZAR(南アフリカランド)
入金・出金手数料を安く抑えたいなら日本円口座がおすすめ。国内銀行送金に対応しており、送金手数料を節約できます。
ただし国内銀行送金は会員ページでは利用できません。Tradeviewサポートデスクに送金画面のスクショを送って手続きする形になります。
2番目の候補はドル口座がおすすめ。資金をドル建て保有しておくことで、円安時の資産目減りを防げます。
ただしドル口座は国内銀行送金に対応しておらず、入出金はbitwalletで行う必要があります。クレジットカード入金はドル建ての為替手数料(2-3%)が取られるためおすすめしません。
あるいはTradeviewで円口座とドル口座を開設し、資金を円口座に国内銀行送金して、ドル口座に資金移動させることでも送金手数料を節約できます。Tradeviewでは資金移動時の為替手数料は無料です。
基本情報のご登録
「基本情報のご登録」では、以下の情報を入力します。
- 会社名(ローマ字・半角英数)
- 法人形態
- 住所
- 電話番号
- 郵便番号
- 国
- メールアドレス
- 業務内容
住所はローマ字入力する必要があります。日本語の住所を英語表記に変換するなら専用ツールを使いましょう。
おすすめ変換ツールは「君に届け・JuDress」の2つ。どちらも郵便番号を入力すれば、自動で住所を割り出して英語表記に変換してくれます。
法人に関する情報
「法人に関する情報」では、以下の情報を入力します。
- 設立日
- 登録国
- 株式(非公開/公開)
- 純資産
- こちらにご登録の役員のみが取引口座の受益者ですか?(はい/いいえ)
役員に関する情報
「役員に関する情報」では、以下の情報を入力します。
- 氏名
- 出生地
- 生年月日
- 国籍
- 居住地に関する情報(国/住所/郵便番号/電話番号/性別/婚姻/メールアドレス)
米国市民権に関する情報
「米国市民権に関する情報」では、登録者が米国市民かどうかのチェックを行います。
アメリカ在住者は無認可FX業者で口座開設できません。アメリカからの制裁を恐れてか、海外FXブローカーはアメリカ在住者の口座開設を断ることが多いです。
米国市民でないなら、3つ目の「C」にチェックを入れましょう。
- (a) 米国市民権・永住権を保持しています (green card holder/ resident under the substantial presence test)
- (b) 出生は米国ですが市民権を放棄したため現在は米国籍ではありません (証明書の添付が必要となります)
- (c) 米国市民権や永住権はありません
「C」を選択した場合「米国籍以外の場合の身分証明書番号」を入力する必要があります。
入力内容は「国名、本人確認書類の種類、本人確認書類の番号」の3つです。マイナンバーカードか運転免許証を用意しておきましょう。
収入源に関する情報
「収入源に関する情報」では、以下の情報を選択・入力します。
- 収入源(雇用・不動産・年金・会社売却・投資/貯蓄など)
- 破産された経験はございますか(はい/いいえ)
- 米国市民権・永住権に関して(チェックを入れる)
投資のご経験 (複数回答可)
「投資のご経験」では、金融商品ごとの経験年数・取引量・頻度などを入力します。
- 株式・債権(経験、取引量、取引頻度)
- 為替・CFD・貴金属(経験、取引量、取引頻度)
- 商品(経験、取引量、取引頻度)
- 先物(経験、取引量、取引頻度)
- オプション(経験、取引量、取引頻度)
- 投資信託(経験、取引量、取引頻度)
投資経験が全くない場合は、サポートデスクに追加リスク開示(PDF)を提出する必要があります。
具体的な提出方法はこちら。
- PDFをダウンロードする
- USBメモリに取り込んで、コンビニでプリントする
- プリントした用紙に必要事項を記入し、コンビニでスキャンする
- USBメモリに取り込んでから、サポートデスクにメールで送付する
Tradeviewは監査の厳しいA-Bookブローカーなので、面倒な書類手続きを求められることがあります。海外FX初心者の方は、口座開設ハードルの低いXM・AXIORYを使った方がいいです。
以下の分野に関してご理解はございますか??
こちらの項目では以下の情報を入力します。
- CFD取引(はい/いいえ)
- レバレッジと取引リスク(投資元金を失う可能性)(はい/いいえ)
- 証拠金取引とTRADEVIEWでの必要証拠金(はい/いいえ)
その他の情報
「その他の情報」では、以下の情報を入力します。
- 弊社で既に口座をお持ちですか(はい/いいえ)
- 年間投資予定額(0ドルから25,000ドル、25,000ドルから100,000ドルなど)
- 口座の目的(リスクヘッジ、投資・投機、自己勘定取引)
- 口座管理の担当(ご本人が取引、第三者が取引、第三者の口座を取引)
- 紹介ブローカー名
- 担当者名
口座開設でIB縛りEAを獲得したり、Tradeviewの特殊仕様口座を開設したりする場合は、紹介ブローカー名や担当者名を記入することがあります。普通の口座開設なら記入する必要はありません。
手順4:必要書類をアップロードする
「必要書類のアップロード」では、以下の情報を入力、あるいは画像をアップロードします。
- 書類の種類: パスポート、運転免許証、身分証明書、マイナンバーカード
- 発行された国:
- 現住所確認書類(3か月以内発行の住民票、公共料金の請求書 、銀行明細書等)
手順5:利用規約PDFを確認・ダウンロードする
必要事項の入力と書類アップロードが終わったら、利用規約PDFを確認しておきます。
海外FXブローカーは利用規約を盾に出金拒否・利益没収することがあり、事前に確認・ダウンロードしておかないと後から規約を変更することがあるからです。
TradeviewのようなA-bookブローカーだと利益没収の可能性は低いですが、スキャルピングトレードをするなら念のため確認しておいた方がいいかもしれません。
Tradeviewでダウンロードできる利用規約PDFはこちら。
- Signatures(署名)
- Terms and Conditions(利用規約)
- Client Agreement(顧客契約書)
- Additional Risk Disclosure(追加リスク開示)
PDFは4つとも英語で書かれています。
英語のPDFを日本語に翻訳するなら、無料ツールのGoogle翻訳がおすすめ。DeepL(ファイル翻訳)は無料アカウントだと利用制限が厳しいためおすすめしません。
PDFファイルの翻訳方法はこちら。
なお4つ目の「追加リスク開示」については、以下に該当する人はサポートデスクに提出を求められることがあります。
- 21歳以上63歳以下ではない
- 年収が25,000ドル以下
- 1年以内に破産している
- 現在雇用されていない
提出の手順は「該当PDFをプリントアウト→必要事項を用紙に記入→スキャナー・プリンターでスキャン→サポートデスクにデータをメールで送付」となります。
手順6:電子署名をして、開設手続きを完了させる
利用規約PDFを翻訳して読んだら、次は電子署名をします。マウスやトラックパッドを操作して、電子署名欄に自分の名前をローマ字で署名しましょう。
電子署名はイニシャルでOKです。例えば山田太郎(Yamada Taro)なら「Y.T」あるいは「T.Y」など2文字で署名します。
電子署名の入力が終わったら「署名の完了」をクリックし、その後は「利用規約を確認しました」にチェックを入れて、送信ボタンをクリックします。
これでTradeviewの法人口座開設は完了です。24時間から3営業日以内にTradeviewから口座開設完了メールが届くはずです。連絡が遅い場合はTradeviewのサポートデスクに督促をかけましょう。